障がい年金と精神保健福祉相談(大阪府)

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「他人に弱みを見せてはいけない」相談する相手を選びましょう

私が20代のはじめ頃、祖母に言われたことがあります。

「他人に弱みを見せてはいけないよ」

 

私たちが生きている社会は基本的に競争社会であり、弱肉強食の世界であると言えるのではないでしょうか。

 

敷居をまたげば七人の敵あり!

 

そういう意味で、メンタルの落ち込みについても、人間としては当然あることなのでけれど、人によっては、弱みとしてとられる場合があるようです。

 

私は、30代後半の頃、仕事に行き詰まりを感じて悩んでいました。

親しくしていた先輩に相談してみました。

それから、しばらくしてから後輩からメールが届きました。

「岸田さんが、メンタルになっているという噂が流れていますよ。Tさんが言いふらしているようです。大丈夫ですか!」

と。

 

確かに、私は他人に弱みを見せないように辛いことがあってもできるだけ笑顔をつくっていました。

 

作り笑顔も笑顔のうち!

 

ですから、「いつも元気そうな、あいつが落ち込んでいる」というのはサラリーマン社会では面白い話題の一つになったのかも知れません。

 

また、相談できる相手がTさんのように口の軽い先輩しかつくることができなかった友達の少なさの裏返しとも言えるでしょう。

 

しかし、当時のT先輩に悪意があったのかなかったのかわかりません。

 

二人でT先輩と食事に行ったとき、彼が食後にレキソタンを飲んでいるのを偶然見ました。

私は勝手に「この人は安定剤を飲みながら明るく仕事をしている。私の状況もきっと共感してくれるだろう」と思いこんだだけのことです。

 

ピュアカウンセリングのようなものを期待した甘さとも言えます。

 

見方を変えると、T先輩は私との話を整理するために、思いあぐねて第三者に相談したのかもわかりません。

 

一つ言えることは、彼には守秘義務はないということです。

 

もし、誰かに相談したいことがあるのなら、相手を選ばなければいけません。

 

重たい話であればあるほど、その話は相手に心の負荷をかけてしまします。

その話をその人個人で消化することは、酷な注文です。

 

私たちカウンセラーであっても、重い話であればあるほど心に負荷がかかります。

あるカウンセラーはこう言いました。

「カウンセラーは相手の生きづらさを吸い取るスポンジのような仕事です」と。

さらに、こう付け加えました。

「クライエントがスッキリするもので、カウンセラーはどんよりとして当たり前」

 

 

私たちは、守秘義務があります。

 

安心して、話をすることができます。

 

だからお話を聴くだけで報酬をいただいています。

 

このブログも、嘘はありませんがケースを混ぜ、脚色をしています。

カウンセラーにとって守秘義務は、重要な倫理なのです。