障がい年金と精神保健福祉相談(大阪府)

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「うつ」はアルコールで晴れない「アルコールのない人生もいいものさ」

自殺とアルコールの関連 

 先日、メンタルヘルスの研修講師から聞いた話で印象に残った言葉があります。

その研修講師が警察で講演した時に、警官から先生にこういう質問があったそうです。

「先生、自殺した人を発見した時、どんな臭いがすると思いますか?」

「…」

 

「お酒の臭いがするのですよ…!」

と言われたそうです。

 

 

アルコールは死の招待状 

 

自殺にいたる前というのは、多くの人が何らかの精神疾患にかかっているというのは、今やよく知られているところです。

 そして、その代表的な病気が「うつ病」や「物質使用障害」、「アルコール依存」の問題です。

 アルコールとうつというのは、よく「うつ」とひっつくようです。

ある意味、死に結びつくひっつきと言えます。

 

 

うつ病の時は禁酒が原則です

日本の精神科医というのは案外、お酒に寛大なところがあって

「少しくらいのアルコールなら構わない」という先生も少なくないのではないでしょうか?

中年の男性はとくに、うつ状態の時にお酒に走りやすい傾向があると言われています。

 お酒を飲んで憂さが晴れるのならまだしも、陰気な酒を飲んでストレスの発散もできず、ただ酒の量だけが増えていくという悪循環におちいってはいませんか!

 お酒の力でいっとき意識がもうろうとして多少の気分の高揚があるかも知れないのだけれど、逆に不安や抑うつを強くするのです。

 そして、怖いのは衝動性が高くなることです。

「飲んだ勢いでつい…やってしまった。言ってしまった…」

警察のお世話になった人もいるかもしれません。

色んな失敗がありますよね。

 やっぱり、日本人はお酒に寛大で酒の席だから、お酒を飲み過ぎてという理由が許されることもあるようです。

 そういう社会的な背景もアルコールを辞めるうえでよくないですね。

 

 

取り返しのつかないこと

アルコールによる衝動性の高まりの結果、最後の一線を超えてしまうともう終わりです。

自殺でなくなった人の法医学の解剖結果では、高所からの飛び降りや、電車に飛び込んだ人から、高濃度のアルコールが検出されるというケースが多いそうです。

 

 

アルコールのない人生もいいものですよ

アルコールに何を期待していますか?

その場だけでも、気分は本当に晴れていますか!

お付き合いするのに、お酒がないと付き合えませんか!

お酒を飲んだら寝やすくなるなんて信じていませんよね。

 

アルコールを飲んで憂さが晴れるのではなく、誰かと話をするから気持ちが晴れるのです。

飲まずに話をする方法を考えればいい訳です。

 飲まずにカラオケなんか歌えないと言うのなら、はたして酔って歌って本当にストレス発散したと言えるのでしょうか?

歌を歌うのが好きであれば、アルコールは必要ではないでしょう。

だったら、どこかで大声を出せばいいのです。

 お酒を飲んだら眠れるというのも誤解。

寝つきはよくなったかのような感じがするだろうけれど、トイレに何回いきますか?

いびきもひどくなります!

 その寝つきがよくなったような感じも、一週間もすると前と同じようになり、どんどんとアルコールの量は増えます。

そして、依存症へ近づくことになります。

 

このように、アルコールを飲むメリットはないのです。

だったら、「うつ」の人は命の危険をおかすようなアルコールなんてこの際、やめてしまえばいいのです。

 

映画のセリフじゃないけれど、

「アルコールのない人生もいいものだよ」