障がい年金と精神保健福祉相談(大阪府)

社会保険労務士・精神保健福祉士としてあなたの自律と自立を応援いたします

生活保護を受けているから障害年金は請求しても…?

 生活保護を受給する条件を簡単に言うと、

「ご自分の財産や年金、ご家族がいて援助を受けても、なお生活することが困難であれば、不足する部分が生活保護の対象になります」

ということです。

しかし、いったん生活保護を受給してから、例えば心身のどこかに障害がおこって年金が受給できる状態になっても、

「年金を請求したところで自分の受け取るお金の総額は、なんら変わりないので手続きするだけ面倒だ!」

と思っている方がほとんどのようです。

 

中には、現役世代の方でも、

「今、最低限の生活をしているから、国民年金なんてかけても仕方ない、どうせ老後もらえるかどうかわからないし、満額かけても生活保護費より少ないから意味ないよ」

と言われる人がいます。

また、そういうネガティブなキャンペーンをネット上で展開する人もいます。

 

本当にそうでしょうか!?

 

 確かに、日本の年金という制度にはあまり魅力は感じない人が多いようです。

本当にいい制度ならば、国民の皆さんから「ぜひ、加入させてください」と申込みをされ、自ら積極的に納付することでしょう。

ところが現実は納付しない人が多くて、国(年金機構)は強制的に保険料を徴収し、納付率をあげることに躍起になっています。

実際、純然たる国民年金の納付率は4割くらいだと言われています。

純然たる納付というのは、分母から免除や猶予しているものを除外しないで、国民年金の加入全部を分母として計算するごまかしのない数字のことです。

もっと簡単に言うと、国民年金を納めなければいけない人が実際に保険料を納めている人は、2人に1人以下ということです。

そういう意味で言えば、国は努力の方向を間違えていると言えます!

 

それなら、「国民年金を納めなくてもいい」ということにはなりません。

納付することは国民の義務でもあるのです。

 

しかしそれだけではありません。

病気や事故にあい重い障害が残った場合、障害年金というのが案外、頼りになる制度なのです。

それは、万が一のことではありません。

障害年金の受給者は、約192万人。人口の1.5%です。(2010年)

 

話は戻って、

 生活保護受給されている状態であっても、障害年金を受け取ることができるなら、積極的に申請しましょう。

最初に書いたように、今現在は、年金が出たからと言って、受け取り総額は変わらず、生活は変わらないでしょう。

なら、なぜ障害年金を受給した方がいいのか?

例えば、お子さんがいた場合、その子が成人し経済力がついたときどうでしょうか。

生活保護100%の生活であるより、障害年金の受給の割合が高ければ、お子さんの世話になりやすくなるという可能性がうまれてくるのです。

 あるいは、生活保護はお子さんにある程度の経済力があれば、打ち切られます。

そうなれば、100%お子さんに面倒をかけることになります。

障害年金は、お子さんの経済力に関わらず支給されます。いくらかの足しにはなるはずです。

 

お子さんがいない場合でも、将来の環境は変わるものです。

 

 生活保護受給者に限らず、今は非正規雇用で収入が少なくて老後の年金を期待していない人でも、障害年金の受給権をしっかり確保しておく必要はあるでしょう。

そのためには、納付猶予や免除制度がありますね。