障害年金を受けてからのことも一緒に考えていける社労士です
障害年金の申請をして、年金がでるようにするのは、社労士の大切な目的です。
それ以上のことを期待するクライエントは少ないでしょうか?
障害年金は基本的に終身支給されますので、経済的な自立、または全部とはいかないまでも、生活の助けとなることは間違いありません。
今から10年前の私は、当然のように経済的自立に重点をおいていました。
しかし、クライエントさんの哀しい表情を見てから、そのような考え方では不十分ではないだろうかと疑問を持つようになりました。
年金がでることがすべてで終わってしまった反省
守秘義務がありますから、内容は脚色してお話をします。
若い方が、内臓疾患になりました。
初診日が、在職中か、退職後にあるのかで年金がでるでないという分かれ目でした。
厚生年金の3級に該当する障害です。
ですから、退職後に初診があるとすれば国民年金加入中ということになりますから年金はでないのです。
国民年金には、1級と2級しかないのです。
なんとか、在職中(厚生年金加入中)であるということが証明でき、年金がでるようになりました。
こころのことがわかっていなかった私は、クライエントに
「受給できて、よかったですね」と笑顔でいいました。
しかし、クライエントの顔は曇っていました。
哀しい表情をされていて、一言も発することはありませんでした。
そうです。
クライエントにとっては、年金よりこれから先のことが大切だったのです。
もう少言うならば、障害年金を受給するようになった運命の理不尽さをわかってもらいたかったのかも知れません。
不安や絶望感を障害年金でうめることはできません。
もう少し、クライエントの気持ちに寄り添うことができる自分であったらよかったと、今になってようやくわかってきました。
それは、障害年金の請求という仕事から離れ、
精神保健や産業カウンセリング、あるいはキャリアコンサルタントとして、学び活動してきて、ようやく気づいたといえます。
ですから、私は、最後の職業人生をかけて、障害年金受給後の人生を一緒に考えていけるカウンセラーとして社会保険労務士という職業を選ぶことにしました。